本日のスープは売り切れました。

何にもない我が田舎町に、真っ赤な屋根の小さいラーメン屋さんが先々週オープンしました。
広すぎる青い空、どこまでも続く緑、そこに突如として現れた赤色の建物の存在感はどことなく異様に目立っていると表現する他ないですね

オープン直後はさすがに混むだろうと思ったので今日の13時頃に行ってみました。
私の田舎町に美味しいラーメン屋さんはありません
何かお店が出来ても知らぬ間に潰れている事が多いです。
ちょっとまぁ物は試しに食べてみるか~くらいの気持ちで行ってみたのです。
駐車場には車が1台停まっており、やはり昼時にこの人気の無さは…またここも潰れてしまうのか…と思いながら車を降り入口に向かいます。
すると、入口の扉に『本日のスープは売り切れました』

本日のスープは売り切れました!
白い紙にそう書いてありました。
お店の営業時間は11:00~15:00です
僅か2時間ほどでスープが売り切れ、店はもう閉まっていたのです。

クソ~~~!!!!やられた( ; ; )( ; ; )
1度食べたいと思ったものを食べられないとなると益々食べたくなるのが人間の性ですね( ; ; )

麺だけで良いんで食べさせてください!!!と言いたくなりましたがそんな事は出来ないので諦めざるを得ません

ラーメンを食べたい気持ちは抑えきれず、昔からある特別美味しくはないけど不味くもないラーメン屋さんが近くにあったことを思い出しそちらに向かいます

そこは駐車場に小さな看板が出ていました。
『売り切れ。本日は終了しました。』

もう( ; ; )( ; ; )( ; ; )( ; ; )
ラーメンが食べたい( ; ; )( ; ; )( ; ; )
お店のあったかい出来立てのラーメンが!!食べたい!!

もう私の町に食べたいラーメン屋さんはありません

オープンしたての真っ赤なラーメン屋さんは、客足がどの程度が掴むためにスープを今は少量しか作ってないからすぐ売り切れたのかもしれません
もしくは、希少性を高めるために敢えて早い時間に「売り切れました」と店じまいすることで口コミを広げる戦略かもしれません

何にせよここのラーメンを食べてみたいという気持ちをくすぐる事に成功しています。
人々の会話で「あそこのラーメン屋はオープンして2時間で売り切れてて、食べられなかった」と話題に上がることでしょう

もし私が店主だったらお客さんに対して、欲しいものを好きな時に好きなだけ与えたくなってしまう気がします。
でもそれじゃきっと商売は成立しないんだろうな…と感じました。

いつでも手に入る物には価値を感じづらいですね
欲しがったものが全て手に入るのは店主にとっても、お客さんにとっても幸せな事ではないのかもしれません。
欲しいと思ってすぐに手に入ってしまうと満足してしまいます。
ですが、手に入るまでに時間や労力を費やしたものであれば例えそこまで美味しくなかったとしても 認知的不協和が働き、美味しかったんだと人間は思い込もうとします。
時間や労力を費やした価値はあったんだと自分自身に思い込ませることで不協和状態を解き納得させようとします。

どこまで店主さんが考えているかは分かりませんが、『希少性』というのは想像以上に人を惹きつけて商売を続けていく事に大きな影響がありそうです。
勿論激マズだとしたら、それはそれですぐに口コミで広がってしまいますが何となくいい感じだった場合にはかなり効果がありそうな戦略ですね。

どうしても耐えられないので、再び山を降りていつでも空いててまぁまぁ美味しいラーメン屋さんに行きます。
こういう時に希少性の真逆をいくお店の有り難さを感じるのもまた事実…ラーメン…